「鳥山明は描きたいものを描けなかった」

https://youtu.be/bmDaAbxAme4?si=85PAcuT9hGBatHhS

昨日あげたゆっくり解説がじきに2万回再生を達成するようで、動画製作者がぶっ倒れるまで頑張った甲斐がありました。


ところで、私は小林よしのり(時浦兼)の鳥山評の記事の内容についてはそれほど否定的な立場ではありません。

何故そんなことをいちいち説明するかというと、以下のコメントが届いたからです。


《僕の目から見てブログ主様は小林氏憎しのあまり逆張りをしているのでは?と思う所はあります。今の小林氏や信者たちがかなり問題のある人間であっても、全てを否定する必要は無いと思います。》(スイーツさん)

https://washiblogact3.seesaa.net/article/502892811.html


私が小林の主張についてあえて常に逆張りをしているというご指摘はこれまでも時折受けていましたが、こちらとしてはそんなつもりは毛頭ありません。

おそらくですが、小林よしのりは「太陽は東から昇り西に沈む」という認識であると思いますが、私はそれに逆張りして「西から昇ったお日様が東へ沈む」などと訴えることなどありえません。

ただおかしげな主張に対して半笑いでツッコミを入れているだけであり、それを「小林憎しの逆張り」と言われても困惑してしまいます。


小林はライジングの記事で2週に渡って鳥山明評を書きました。

前編は「まぐまぐニュース」なるサイトで全文読むことが出来ますが、後編は完全会員限定の記事であり、その内容を知ることは出来ません。

しかし会員制コメント欄に投稿された感想からおおむね推測することが出来ます。

で、その鳥山評ですが、それこそもう散々コスられまくったジャンプ人気アンケートの弊害やら編集者との関係性やら、ちょっと検索すれば幾らでもネット記事で拾えるような内容で、それをさも同業者としてのフレッシュな批評かのように得意顔をしていることには乾いた笑いも洩れません。

ただ、凡百な意見であるがゆえに特に的外れであるというわけでもなく、「でしょうね!」と「そんなん誰でも知っとるわ!」という同意としてのツッコミを入れる程度の感想しかなく、その内容を全否定する気はありません。

小林よしのり氏が読み解く『ドラゴンボール』の秘密。戦闘漫画に潜む無意識と「鳥山明の戦争論」 - まぐまぐニュース!https://www.mag2.com/p/news/595786

『ドラゴンボール』は徹底的な戦闘漫画である。 戦闘に次ぐ戦闘で、戦闘のエスカレーションを起こしていく、ジャンプ特有の漫画だった。》

路線を変更して徹底した戦闘漫画にしたら、たちまち人気が大爆発して、ついには世界的な「レジェンド」にまでなったのだ。》

《ジャンプ特有の、敵を倒したと思ったらより強い敵が出てくるというパターンが繰り返される、戦闘エスカレーション漫画がわしは以前から嫌いだった。

とにかく次から次にもっと強い敵が出て、どんどんエスカレートしていかなければならないという展開には、どうしても飽きてしまうのである。》


バトル漫画の強さのインフレについて、今更物申されてもねぇ。

お爺ちゃん、それについてはもう散々語り尽くされているわけですよ。


後編の内容についてはライジングコメント欄から引用させていただきます。


https://ch.nicovideo.jp/yoshirin/blomaga/ar2192705

《「描きたいものを描けなかった」

果たして漫画家として満足していたのだろうか?と思いました。

「描きたいものでは無いが読者が求めるもの描けば売れる」けど「描きたいものを描いても恐らくヒットしない」

鳥山先生はわかっていたのかも知れませんね。》

《今日のライジング、先生の【第528回「鳥山明の最大の功績とは何か?】を読み、それを直撃される衝撃を受けています。

鳥山明の功績を称える文ではない・・・その「漫画家」の悲劇、その結末に慟哭しておられる。》

《私も実は途中でDr.スランプに飽きてしまって、漫画もアニメも見なくなりました。

なので余り偉そうに言えませんが、鳥山明先生が本当に書きたかった作品が知りたかったですね。

でもDr.スランプは、今でも好きです。》

《どうも鳥山明は読者という権力者に相当左右される漫画家だったのかなと思います。》

《実はドラゴンボールは、全くと言っていいくらい興味がなく。Dr.スランプは、絵?線?にスゲー!と思いましたが、面白いか?といえば、確かに面白い……とはまったく思っていなかった。》

《鳥山明先生は売れた漫画家、小林先生は令和6年の現在も売れている漫画家という違いも、評論から垣間見れて面白かったです。》

《その原点とは"手塚治虫だった"にも、"テーマやアイデアの豊富さでは手塚治虫や藤子•F•不二雄には敵わなかった"にも納得出来きます。

鳥山明に関して、自分は何にも知りません。ただ絵が異常に上手いという印象だけで、作品に関する思い出も希薄なのです。テーマ性があまり感じられなかったせいかもしれません。絵だけ描ければ良いという作家では無かったとは思いますが、やはり"執念"というか…何よりも『これを描きたい!』というモチベーションがあまりなかった人なのかもしれません。》

《鳥山明氏は自分の描きたい漫画を描けなかったとしたらちょっと可哀想な気もします》


小林はネット配信でも「バトル漫画を描けば絶対に人気が出る」などと言い、鳥山明先生について売れる為に本来描きたかったマンガを描くのをやめたかのように適当なことを言っていましたが、その小林の口からデマカセを補強する為にブレーンである時浦がネット記事を漁って、なんとなく繕ってみせたのでしょう。


以下はあくまで私の個人的な感想としてドラゴンボールや鳥山作品についてちびっとだけ書きます。

当然ゴリゴリの鳥山ファンにしてみれば「小林並みに薄っぺらいじゃ、ボケ!」と思われるかもしれませんが、私のは批評ではなく、単なる感想なのでご容赦下さい。


果たして鳥山先生は小林が言うように「描きたいものを描けなかった」作家なのでしょうか?

また「描きたいものを描いても恐らくヒットしない」作家だったのでしょうか?

ドラゴンボールに関して、天下一武道会でピッコロ(マジュニア)に勝利して初優勝をおさめ新妻チチと筋斗雲に乗って空に飛ぶというところで最終回を迎えていたら、それこそあしたのジョーやデビルマンに匹敵する理想的なエンディングであり、綺麗な着地であったと私は思います。

あそこで終わってたら完璧だったと10代の頃の私は熱弁したものです。

しかしとことんまで追い詰められながらも魔人ブウ編まで描き続けたことで世界的なウルトラヒットとなったのですし、それこそマンガ家冥利に尽きるでしょう。

ドラゴンボール連載終了後の鳥山先生の仕事は「描きたいものを描けなかった」などという言いがかりがトンチキな揶揄でしかないことが分かります。

自分のペースでたまに短編を発表。当然、天下の週刊少年ジャンプに掲載。

マンガ以外にさまざまな面白そうな仕事をいくつも抱えていて、どこの所ジョージだよ状態。

そんな職業遊び人みたいなことが出来たのもひとえにドラゴンボールのメガヒットがあったからです。

これのどこがマンガ家の悲劇なのでしょうか?

小林は単に「鳥山明の功績を称える文」を書きたくなかったのではないかという疑惑が浮上します。

では何故そうまでして必死に粗探しをして功績を称えることを拒否っているのか。

その答えは言わぬが花でしょう。


ちなみに鳥山先生はご自身のことを「あまのじゃく」な性格であると言い、「天下一武道会の優勝者は誰がいいか」という読者アンケートで主人公孫悟空が圧倒的多数の支持を得たことに反発し、白髪じじいや三つ目のハゲを優勝させてしまうのでした。じゃんじゃん!

この記事へのコメント

ライジング購読者:youtube動画のコメントより
2024年04月14日 10:56
youtubeの動画へのコメントが述べているように、
今の代表は次の心境なのでしょう。

>結局、同年代の超天才漫画家への嫉妬なんだろうな。
まぁ嫉妬すること自体は悪いことじゃない。自分が嫉妬していることを素直に認めてそのエネルギーを「面白い作品を作る」ことだけに注力できれば良かったんだ。

>だが、この人は自分が嫉妬していることを認めることが出来なかった。
だから、相手をこき下ろすことをしてしまったのだが、80年代以降の漫画の世界で神様的存在である鳥山先生にそんなことをすれば世間がどう見るかを考えて欲しかったな。

代表が自作した人生計画表で72歳までが具体的だったのも、インドおぼっちゃまくんがヒットしなければ引退を視野に入れているからでしょうね。再来年にやる愛子様のためのパーティも今春に愛子天皇運動が失敗に終わった後のご自身の引退パーティを開催する理由をひねり出しているように思えます。
スイーツ
2024年04月14日 02:49
おかし気な主張にツッコミを入れているだけ、、、果たしてそうでしょうか?

アメリカかぶれだった稀代の小児性愛者の全面擁護に対しては的確な批判をしていますが、愛子皇太子や慰安婦問題に関しては少々幼稚な逆張りをしているように見えます。

例えば、皇位継承問題に関してはブログ主様も一時期とはいえ道場に関わっていたのですから、その本質は分かっている筈です。本来なら2006年に愛子皇太子で落ち着いてる筈だったのです。それを、生命倫理違反・国会審議妨害「紀子さまご懐妊」報道が全部ぶっ壊したのです。

但し、小林氏とその周辺は偽善的にも亡き安倍晋三「だけ」が悪かったというスタンスを崩しません。三笠宮家には一定の節度を保ちつつ批判しているのに、美智子様の掌の上で踊らされている小林氏は意地でも秋篠一家を批判しません。(ちなみに、美智子様という人物は西太后に匹敵する稀代の悪女です)
シチューせんべつ
2024年04月13日 08:57
小林おじいちゃんも売れてた頃は大衆の側に立っていたというか「わしは良き観客と共に進む」と大衆(人気)を背に進んでいたんですけどね。いつの間にか大衆は去っていき、おじいちゃんはその背に向かって石を投げるようになった。

わしが悪いんじゃない、大衆が悪い、鳥山を褒めて何故わしを褒めない、ドラゴンボールなんて商業主義・ニヒリズムの産物やぞ、妬ましい虚しい、でも西部よりはマシ、インド版おぼっちゃまくんだけが希望だ。

第8回 歌謡曲を通して日本を語る~日本人論~ https://www.worldofgosen.com/2024/04/06/%E7%AC%AC8%E5%9B%9E-%E6%AD%8C%E8%AC%A1%E6%9B%B2%E3%82%92%E9%80%9A%E3%81%97%E3%81%A6%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%82%92%E8%AA%9E%E3%82%8B-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BA%BA%E8%AB%96/
32 「日本人論」増刷がまだない キャンセルされても興味がない
35 人気投票に流されたらニヒリズム
36 まったく新しいことに挑戦 ニヒリズムに対抗

45 西部邁よりは良い 福岡にも駆けつけて下さる公論サポーターさん
46 虚無に浸らずにいられる
57「おぼっちゃまくん」が希望 年末からインドで放送 子供が4億人
58 将来、インドと日本の友好関係が築かれる”

ドラゴンボールをニヒリズムと貶しながら、昔のアニメがインドでヒットしてインド側から続編を要求されたので創ってるおぼっちゃまくんを希望と称し、日本(公)のためだと嘯く。

「日本はアメリカの属国で政治も経済も滅茶苦茶にされ続けて希望がない」のならアニメに影響されてインドが親日国家になったとて何が変わるの?って話ですが、もし本当にアニメに日本を救う力があるならばドラゴンボールはインドに限らず世界中でヒットしてるんですけど?鳥山先生の訃報に全世界が涙したんですけど?

おじいちゃんは「文春はレトリックで醜悪化してるだけ」と批判してましたけど、その主張が正しいかどうかは兎も角、同じことしてますよね?っていう。鳥山明が葛藤と共に創り出したドラゴンボールは日本の希望になったと敬意を表する事だって出来たでしょうに。亡くなった偉大なる同業者に嫉妬して引き摺り下ろして自己慰撫する。それがプロの作家の仕事ですか?

鳥山明さん死去、欧米メディアも相次ぎ速報「伝説の漫画家」「日本の国境はるかに超えた」https://www.sankei.com/article/20240308-ATVHEVOIPVGQZOHPUPEO5ZJWWM/

中国外務省報道官が鳥山明さん死去で「深い哀悼の意」表明 「中国でも人気があった」https://www.sankei.com/article/20240308-4TBI7FYJQZJJPOUZACHZ4UMP7Y/

小林よしのりライジング 500号「芸能の長い長い助走」https://mypage.mag2.com/ui/view/magazine/164271063?share=1
ゴーマニズム宣言・第528回「鳥山明の最大の功績とは何か?」を読んで、コメディ漫画の『SPY×FAMILY』の遠藤達哉先生がふと思い浮かびました。遠藤先生は元々ダークでシリアスな作風、更には美男美女を登場させない、強いこだわりを持って漫画を描き続けていたもののなかなかヒットせず、心が折れそうな日々を20年過ごしていたようです。そのためか、やっつけで描いた『SPY×FAMILY』に対して「キャラに愛着はゼロなんですよ。色々諦めた結果なので。」と述べていました。自分が本当に描きたいものを封印して、世間ウケする漫画を描き続けるって、中々の地獄のような気がします。

【回答・よしりん】
わしには絶対に出来ない仕事だね。
なお
2024年04月10日 23:44
この人は鳥山明にも、その他の漫画にも何にも興味がなく、何か書かなければいけないから、散々コスられた意見を時浦にでも探させ、そのまま書いてる、まあこれ書いてるのも時浦でしょうけど。
あと、リングにかけろをワケがわからないみたいに言ってましたが、自分の東大一直線もまともな受験漫画ではないのに何言ってやがる、と思いました。大体、プロを漫画家なら、あの方法論はスゴいとかあの絵のあの線がどうとか言いそうなもんですけどねぇ。
ジョジヨの荒木飛呂彦先生が同時代のジャンプ漫画で嫉妬したのはキン肉マンだそうです。それは売上とかじゃなくて、超人にプロレスをさせる、あの方法論に対してだそうです。プロなら、そういうところを見て欲しいですね。