女系派と男系派による皇統談義

現在、当方ブログのコメント欄にて、shinkimuさんとナクラさんのお二方による皇統談義が展開されており、多くの人の注目を集めています。
Twitterにて、次のような感想もありました。

「愛子様ご自身は天皇になることを望んでいらっしゃるのか、そんなことありえません」
「そんなことは無いと断言される根拠を示してください」
鷲ブロで女系派のナクラ氏と男系派のshinkimu氏がコメント欄で意見を交わしている。現在も進行形。
ゴー宣信者らの#論破祭りとかいう愚にもつかぬ誹謗中傷合戦なんかより遥かに面白い。
私はshinkimu氏に理があると感じるけど両者の是非とは別に議論とはこうあるべきと思うね。》(㍋㌧コインさん)


一つの議題について対論しているものを第三者が読んで各々が思索し判断をする。
それが本来あるべき「公論に至る過程」なのではないでしょうか。
そこでの議論に明確な決着がつかなくても良いし、決裂したまま終わっても構わない。
その議論をより多くの人の前に披露し、その内容を多くの人が吟味し、それによりまた新たに議論が始まり、それが広がることでより「公論」に近づいてゆく。
ただ人集めのイベントを開いてエンタメごっこをしたり、ネットの生放送で一方的な駄弁りをして満足していては一生「公論」に至ることはありません。
それこそ政治運動化してロビー活動をしたり、社会運動化してビラ撒きや集会を開いたりすることを公論とは呼ばないし、呼ぶべきではないでしょう。
それは自分たちの主張をドグマ化し、それをスローガンとしてシュプレヒコールを起こしてアジテートするという「公論」からは最も遠い醜悪な行動です。
イボナメクジこと小林よしのりのゴー宣道場が今現在やっているのはまさにそれです。

そのゴー宣道場の振る舞いの対極にあるのが、当方ブログコメント欄で行われている議論です。
無論、この議論を継続するか否かはshinkimuさんとナクラさんの自由であり、概ね互いの主張を出し尽くしたというのならば、いつやめても誰も文句は言いません。
ただ、他人の場を借りていつまでも自己主張するのは迷惑だろうからなどという理由で遠慮する必要はまったくありません。
ゴー宣道場の連中がやるような誹謗中傷罵詈雑言の応酬などということにならなければ、まったく問題ありません。

というわけで、ナクラさんによるshinkimuさんへの反論を紹介します。


お言葉に甘えて、コメントさせていただきます。
人の感じ方、考え方はさまざまで、違っていてもどれが間違っていると言うはなしでは無いと思っています。
今回コメントをしているのも、私の考えが正しいと主張するためでなく、このようなとらえ方、考え方もあると提示しているだけです。
陛下がご自分の思っていることを正直に言えない以上正解は解りませんから。
「時の政府が勝手な法律をデッチ上げて」とまでは思っていません。法律なので受け入れて守っていかないといけないでしょう。
「天皇を無理やり従わせている」はまあ、両陛下のお気持ちを忖度して決めるべきとは思いますが・・。
立皇嗣の礼の動画を見て私はこう感じました。
天皇陛下は、いつもと変わらず落ち着いてお言葉を話されていました。
政府が決めた内容ならば自分の気持ちに左右されない、天皇の務めに忠実でさすがです。みなさんが陛下言葉を信じたのはそのためかもしれません。
皇后陛下は、言葉が上擦って、心からの言葉ではない感じです。「適応障害」を患っておられますが、その原因を私は自分の子供が皇位継承者と認められないためと感じています。
秋篠宮殿下は、不機嫌そうで、少しも嬉しそうでなく、両陛下に対する言葉もありませんでした。
初めは、兄弟でなにか確執があるのかと思っていましたが、よく考えてみると、自分の意にそわないこと(立皇嗣の礼)を、演じさせられていることの不満だったかもしれません。
繰り返しになりますが、以上は私が感じ、考えたことで、正解ではない可能性があります。》(ナクラさん)
shinkimuさん
「明治典範は皇位継承について初めて明文化された」ということは、固定的な原理原則はあえて定めておらず、柔軟に対応していたということでしょう。
江戸時代に女性天皇が存在していたのですから、男子限定にしたのは明治時代からです。
「正統性を有した皇位継承者が、現時点で一人」になって大丈夫だと思っているのですか。
結婚のことで言えば、一人と複数では安定性に違いが出ます。
愛子天皇の結婚等が不調に終わったとしても、悠仁親王のお子様(男でも女でも)に皇位をたくすことはできます。
「「即位後に結婚」「即位後に出産」した女性天皇は1人もおられません。」は事実ですが、令和は短いと思っているのでしょうか。順調にいけば、今上陛下が80歳になられる時にお孫様は生まれていると思いますが・・。
蛇足について
引用文を一部省略した部分はあり言葉足らずですが、誤読はないと思いますよ。
両陛下に対して、「恣意的に継承者を変えられるという」ことはできないと「知りに」なっているよな・・。
とは、不敬すぎて私は書けません。
そんなつもりは無いと言われるのかもしれませんが、前半を書くだけで文脈的に匂わせています。
私にはそう感じられました。
認知バイアスの話以降は、感情的になっているように見受けられるので、コメント控えます。》(ナクラさん)
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この記事へのコメント

ナクラ
2023年03月01日 12:24
shinkimu さん

「天壌無窮の神勅」についての解説を書こうとしましたが、私の力では難しく、引用が主になってさまうので断念しました。
簡単に記すと、「日本書紀」神代巻(天孫降臨第一の一書)にあるもので、天照大神が「皇孫に勅して曰く、・・・瑞穂の国は、是れ吾が子孫の王たるべき地なり。宜しく爾皇孫就きて治せ。行
ませ。・・・」というものです。
意訳すると、「皇統をつないで、天皇としろ」でしょうか。
男系男子継承しろなどとの方法論はありませんし、天照大神は女性神なので、男尊女卑もないでしょう。

時代が下って、時代に合わせた皇位継承が行われ、明治時代になって男系男子継承になりました。
明治憲法では、天皇は軍隊の総帥ですから男でなければいけないと考えられたのでしょう。
また、当時世の中が、男尊女卑だったのが影響しています。
今も、世の中が男尊女卑だと思われますか?

保守主義についてはコメントを控えます。

最近のゴー宣道場については言われることは理解できます。
ただ、平成の秋篠宮派(秋篠宮ご本人は関係ない)の旧東宮派(これも今上陛下とは関係ない)に対する攻撃は報道機関も含めて激しいものがありました。形勢がが逆転しているのだと思います。
それと、女系容認派は焦っているのです。(悲観的な見方もできるので・・)
政府のサボタージュで「皇室典範」が改正されないことが続けば、敬宮愛子内親王殿下は、いずれ降嫁されます。(佳子内親王殿下はその前に・・)
それまでに、なんとかしないと、皇室は悠仁親王殿下ただひとりになってしまうので、ここでは無理をしたり、過激な活動をしたりする可能性があるのです。

女系容認派からみると、男系派の楽天的すぎるのが気になります。
結婚すれば、必ず子共が生まれる(しかも男の子)と信じているのでしょうか。
植物だって「種無しかぼちゃ」があるのですよ・・。
不慮の事故だってありうるのですよ・・。一人になることは、危険だと思います。
shinkimu
2023年02月28日 11:34
ナクラさん

> 「皇統をつなぐという」原理により積み重ねた結果であって、継承の原理原則ではありません。

ここの文意が私にはつかみ取りづらいのですが、たまたま結果的にそうなってきたということでしょうか。

保守主義とは何か。

エドマンド・バークの言葉を借りるなら、人間の理性には限界があり、誤謬をおかすものだということです。
革命後のフランスで、「反革命的」とみなされた人々が次々と断頭台に送られたように、急進的な理性主義はしばしば取り返しのつかない過ちを招きます。

最近のゴー宣道場は男系派議員をカルトとして吊し上げたり、判断を留保するものを高見猿として罵倒したり、異様な先鋭化が見られます。
まさにこの、急進的な理性主義の陥穽に陥ってのものかと思います。

「伝統」とは「偏見」の一形態に過ぎないという考え方もありますが、多くの人間が長い時間をかけて積み上げてきた営為は、たとえ不完全であっても、ここに依って判断することが基本的に良い結果をもたらすということです。
少なくても取り返しのつかない過ちにはなりません。

小林さんがおっしゃるように天皇は科学ではなく神話に基づくファンタジーだと私も思います。

「サピエンス全史」のユヴァル・ノア・ハラリ氏によれば、実態のない共同主観的な神話を全員で共有できたということがネアンデルタール人は滅びたがホモサピエンスは生き残った理由だとか。

たとえそれが虚構、ファンタジーであっても、我々の祖先が少なくても1000年以上の長きに渡って守り続けたファンタジーは、我々の代の責務として大切に守り、子孫にリレーしていかなければならないということです。

小泉政権時の女系容認法制化の流れは当時皇位継承可能な男子が1人も生まれておらず危機的な状況だったという背景があります。

悠仁親王のご誕生により、その危機はひとまず脱することができました。
その経緯をふまえながら、さらにこの法整備を拙速的に進めるということについては、上述の理由で全く意義を感じません。
ナクラ
2023年02月27日 11:23
shinkimu さん

女性天皇と女系天皇の違いは理解しているつもりです。

みなさん言われる、男系継承(系図上で父親を遡っていけば神武天皇へとたどり着くという)は事実ですが、「皇統をつなぐという」原理により積み重ねた結果であって、継承の原理原則ではありません。
ですから、過去に女性天皇が存在するのであり、元々、皇位継承に男女の別は関係ないのです。

私の考えの基になっているのは、田中 卓先生著「愛子さまが将来の天皇陛下ではいけませんか 女性皇太子の誕生」です。
一度お読みになれば、私の言ってることへの理解が深まると思います。

田中 卓先生は、女系容認の理論的指導者で政府に対する根回しも行いました。
これにより、小泉政権時の「皇室典範に関する有識者会議」が開催され、女系容認の答申(「愛子さま」に弟が産まれてもこの案で改正すべき)がだされました。
当時の小泉総理大臣が、これを法制化すると表明しました。

その時秋篠宮妃の妊娠の情報が出て、なぜか改正案は凍結されて現在に至ります。
女系派はこれを根拠にして論をだしているのです。

政府は卑怯にもサボタージュを続けています。
結論を出さないことで、皇室特に女性皇族多大な困難を強いている状態です。
shinkimu
2023年02月27日 05:49
ナクラさんへの回答

まず確認したいのですが、ナクラさんは女性天皇と女系天皇の違いは理解されていらっしゃいますか。

8人10代の女性天皇が存在したことは事実ですが、いずれの天皇もいわゆる男系の皇族であり、系図上で父親を遡っていけば神武天皇へとたどり着くという原理原則は必ず守られています。
仮に愛子内親王が天皇に即位し、さらにそのお子様が皇位を継がれるということになると、そこが崩れて女系継承の道が開かれてしまうということです。

愛子様のお相手選びは悠仁様とは次元が違うほどの困難に遭われると申し上げたのもその意味です。
日本を二分するような騒動の渦に巻き込まれてしまうのではないでしょうか。

愛子様が皇位を継承されたからと言って皇統は決して安定などしません。
むしろ皇室そのものの存在意義を問われる重大な問題になり、ひいてはこのシステム自体の存続がいよいよ難しくなると思います。

私が最も不思議でならないのは、何度も言っていることですが、女系推進派の方々は、なぜ「いますぐシステムを変えよ」と声高に仰るのでしょうか。
なぜ「今、今、今」なのでしょうか。
悠仁様がお生まれになっていなかった平成18年以前のことでしたらまだわかりますが、今はその危機はひとまず脱したのです。

天皇陛下は神道の最高位の大神主様です。
天皇陛下の最も重要なお仕事は祭祀であり、皇祖神や皇霊、日本の全ての神々と我々をつなぐ役割としてあらせられます。

その祈りは、今生きている我々だけではなく、この長い日本国の歴史の中で生まれ亡くなっていった全ての方々へのものと私は考えます。

だからこそ天照大御神の子孫として、連綿と続く歴史の中での皇位の正統性というものが何よりも重要視されるのではないでしょうか。

高森さんと小林さんのお考えはある種の革命思想ともいえるのかもしれませんが、彼らから感じることはもっと矮小なものです。すなわち、自身が生きている間に、社会的評価も含めたエゴを満足させたいというその欲求から皇室を利用しているとも取れなくもありません。

その動機が純粋なものとはとても思えず、そうでも考えないと彼らの行動は説明がつかないように思います。

購読者の子
2023年02月26日 21:04
こちらでは少し真面目なコメントを。
本日は2月26日、皆さん過去に何があったかはご存じでしょう。
私は対話可能な相手ならば良いですが、時に世論などは暴走するものと思えるので、議論する事も危ういと考えています。

明治には、幸徳事件に端を発し南北朝正閏論が起こりました。

イボはこのような事実を、当然知った上で今の活動をしていると私は考えています。知った上で、相手側にレッテルを貼り、煽っている…と。

そして、本日「目的は手段を浄化する」という、とんでもない発言をされた方がいましたね。この方ならば、イボ道場を手放しに賞賛されるのではないでしょうか?また、2・26事件についても…

これは西山事件への某記者の論評の一部でしたが、鷲ヲさんならばスルーしておけない内容だと思いますので、何かしらのコメントを期待しております。